Winter's Story 〜ドイツの冬〜
新しい年を迎え、まもなくひと月が経とうとしています。昨年末からの寒波が少し緩んできていますが、春まではまだ少し時間がかかりそうです。
クリスマスと新年を過ぎたドイツもまた寒い季節で、観光客で賑わう時期ではありませんが、私は毎年、この時期にドイツのフランクフルトで開催されるクリスマスメッセに参加するために、30年近く訪れています。今回は、この季節のドイツのことについてお話ししようかなと思います。
30年前と比べると、温暖化の進行を感じます。フランクフルトではこの数年、出張時に雪が降ったことはありません。ずいぶん前に大雪で、「今日のメッセは15時まで!閉めるので、帰って」と言われた経験もありますが、今はそこまで寒くない気温です。
ニュルンベルクのトイショーというメッセに行く際には、Iphofen(イップホーフェン)という小さな町に泊まります。そちらはフランクフルトより内陸にあり、寒く感じることがありました。特に寒い年には、庭の葉が凍っており外を歩くと、自分の体温と外気温の差で、前髪が凍り、最終的にまつ毛まで霜がつくこともありました。
冬のドイツでは日照時間が非常に短く、太陽が昇るのは通常午前8時頃です。
朝の6時や7時にはまだ完全に暗く、イップホーフェンのホテルでメッセの前に朝食を取る時、ホテルのレストランでは、朝からキャンドルが灯されています。もちろん電気の明かりもありますが、キャンドルの炎の揺らめきが心地よく、暖を取っているように感じていました。夕方も早く、午後4時には日が沈み、早い時間から夜の雰囲気に包まれます。
↑ AM7:30の Iphofen
インゲグラス社があるバイエルン州ノイシュタット地域では、気温が低く霧や霜が発生しやすいため、道路が凍っているように見えるほど冷えています。霧や雲に含まれる水滴が冷たい物体に付着して形成される現象で、これが木の枝や建物、草などに薄い氷の層を作り、粉雪のように見えることがあり、静かで美しい冬景色を楽しむことができます。
↑Inge-GlassがあるDörfles-Esbach駅
ドイツでは、暖かさを求めて古くから使われてきた暖炉があります。暖炉は家の中での温もりを提供するだけでなく、家族が集まる場所でもあります。もちろんクリスマスの時期には、デコレーションを飾ったり、ストッキングを吊るしたりと大活躍します。古いホテルの部屋に暖炉があることもありましたが、街中のホテルでは、木材ペレットやガス暖炉のような環境に配慮した暖房が増え、実際の火を使わずにLED技術や3D映像でリアルな炎の見た目を再現した電気暖炉も登場しました。エコへの関心の高まりとともに、暖炉も変化しています。
伝統的な暖炉を使い続けている家庭では、煙突掃除や安全検査が義務付けられており、年に一度、煙突掃除屋さんが点検に来ます。以前お話ししたラッキーマンとも繋がりますね。暖炉のある暮らしは、環境への意識が向上しても、依然として愛され続けており、ドイツらしさを感じる文化だと言えるでしょう。
冬のドイツのエピソードは、まだまだありますので、またの機会に。