Smoking Man 〜煙出し人形〜
アドベントクランツの3本目のキャンドルを灯す日となりました。遅く来た秋が一転して急に冬らしい寒さになってきました。週末に雪が降る地域もあるようです。
日本やヨーロッパなど北半球の国では、クリスマスは寒い冬の気候です。クリスマスの伝統的な風習やグッズは冬ならではのものが多くあります。ドイツでアドベントの時期にお香を焚いて楽しむのもその一つです。
その時に使用されるのが「煙出し人形」です。スモーカーやパイプ人形、お香人形など呼び名はありますが、木製の人形の中にお香を入れて煙を出す置物です。
ドイツのエルツ地方の山地 では、かつて銀と錫の鉱床が豊富でした。鉱石がひどく枯渇するまで 800 年以上にわたって採掘が続けられていましたが、さまざまな理由で命を落としたり、閉山され失業していきます。鉱夫たちは生き延びるために、この地域で豊富に手に入る木材を使って木彫りのおもちゃ作りを始めました。
煙出し人形は、もともとは勤勉な鉱夫たちへの敬意として熟練した職人によって作られたものでした。鉱夫や木こり、農家、羊飼い、煙突掃除屋さん、、、市井の働く人たちもデザインされていました。中にお香を入れられるようにくり抜かれた本体は、お香をつけると炎が立たずに煙だけが口から出て、まるでパイプを吸っているように見えます。
忙しく働く人々を
「パイプを持ってちょっと一服して休んでね」
という思いを込めて作られたとも言われています。
これらの煙出し人形は民芸品として使用され、装飾品としても機能的な香炉としても使われていました。見た目が美しいだけでなく、魅惑的な香りの煙が立ち上るため、心地よい時間を作り出します。
時が経つにつれてその人気は急上昇し、ドイツのクリスマスの伝統に欠かせないものとなり、国境を越え、職人技と歴史を重ね続けて世界中で愛されるようになりました。
働く人だったデザインはいろいろと新しいものが増え、様々な職業が煙出し人形になっていきます。兵隊、大工、コック、郵便屋さんにお医者さん。男性だけだった職業シリーズに加えて女性や動物、物語の主人公など幅広くデザインされていくのです。
そして何より、サンタクロースやスノーマン、おもちゃ売りはクリスマスシーズンに無くてはならない職業です。本物らしさと懐かしさのある素晴らしいクリスマスグッズと言えるでしょう。
クリスマスカンパニーでは直輸入の煙出し人形やお香を取り揃えています。
寒い外から帰ってきて、部屋に飾られた煙出し人形は、空気中に松やジンジャーブレッドなどの香りを漂わせて、ホッとひと息つけると思います。
お気に入りの人形との出会いがありますように。