Plauener Spitze 〜プラウエンレースのお話〜

 


一年のうちで最も夜が長い季節になってきました。寒さも一段と深まり、いよいよクリスマスです。

日本はクリスマスの後にすぐにお正月がくるので、ソワソワのスイッチが入る方もいらっしゃるかもしれません。
「クリスマスが終わってもそのまま飾れるものはないかしら?」
と質問を受けることがあります。その時に、おすすめしているのがドイツ製のレースで作られたオーナメントです。

世界最古のクリスマスマーケットが開かれているドイツのドレスデンから150km、エルツ山地に程近い場所にプラウエンという街があります。この土地は16世紀頃、布や綿織物を製造しており、18世紀頃にはその手刺繍で貿易を始めます。その後、機械によるレースの生産を始め、高品質で美しいレースは「プラウエンレース」と呼ばれ、1900年のパリ万国博覧会でグランプリを受賞し、世界中に知られアメリカにも輸出されていきました。レースで作られたものは、カーテンやテーブルクロスの他に、ドレスやワンピースの付け襟、薄いチュールドレスなどファッション界に衝撃を与えました。
当時はとても豊かな土地でしたが、大戦がはじまり街も工場も空襲に合い、75%が廃墟になります。戦後旧東ドイツは、残っていた小さな工場を国有化し、プラウエンレースの生産と文化を存続させました。1990年のドイツ統一後、国有の工場は民営化されます。
現在は、約75社の刺繍工場やメーカーが統合し協力しながら、プラウエンレースの伝統を守っています。

VOGEL社はそのプラウエンにある刺繍とレース、布製品を製造する老舗メーカーです。
デザインから生産まで全てドイツ国内で行われ、職人が刺繍機械を動かしながら多くの部分を手作業で製品を生み出しています。それは古くからの製法ならではの、趣きのある高品質のレースです。

クリスマスカンパニーで取り扱っているのは、クリスマスツリーに飾ることのできるオーナメント。華奢で繊細なデザインは、深い緑色のツリーによく合い、優しい存在感があります。ツリーだけでなく、窓辺に吊るして飾ったり、薄いので額に入れて飾ることもできます。手芸などに使うとおっしゃる方もいて、どんな作品なのかな、、、と想像が膨らみます。
もともとヨーロッパでは、新年のお祝いのためにもクリスマスグッズが使われます。
特に金糸を細かく織り込んだ雪の結晶や星のモチーフは、華やかで新年の飾りに相応しくクリスマスが終わってもしばらく飾ってお楽しみいただけます。

プラウエンレースは、プレゼントにされる方も多くいらっしゃいます。忙しい中でも、ゆらゆらと揺れ優雅なひと時が流れるようなドイツの手工芸はいかがですか?

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