I’m Thinking out loud. 〜 ひとり言ブログ 〜
クリスマスカンパニーは一年中クリスマス用品を扱うお店です。コレクターの方も多く、みなさんクリスマスを心から楽しんでいらっしゃいます。
その中で最近「クリスマスツリーのオーナメントを集めてきたけどいろいろ混ざってきたので、一新したい」という事を聞くようになりました。
でも、その時に必ず「ちょっと待って!今までのブロウグラスのオーナメントはとっておいて、捨てないで」とお伝えするようにしています。
昨今の世界経済事情から、原材料の高騰、人件費アップ、為替や輸送料などどれも日本だけの問題ではなく、現地での価格も上がり、仕入れても店頭で売る事ができない価格になる商品も増えてきました。当店でもやむを得ず価格を上げている商品があり、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ガラス製品を作るドイツでも大きなショッピングセンターでは、プラスチックやブリキ、中国製のガラスオーナメントが多くなっています。それは中国などで作られたクリスマスグッズを「安くてキッチュで可愛い」という概念が広がってきているからだそうです。日本も同じような傾向があり、インゲグラス社の全て手作業で職人が作るmanufactureシリーズは「今年の日本から注文は、クリスマスカンパニーだけだったよ」とメーカーの方に言われた時は、寂しい気持ちと不安になりました。
職人の作るものが売れなくなると、当然その文化は廃れていきます。クリスマスカンパニーが開店した頃に比べて、後継者がおらず廃業した小さな工房やメーカーがいくつあったことでしょう。もちろん、それが歴史であり時代の流れに逆らうことはできません。伝統的なクリスマスのものが買えなくなる、それは想像していたよりずっと早く、そういう時代が来るかもしれないと年を経て輸入する度によく感じるのです。
なので、クオリティの高い手作りのオーナメントやクリスマスグッズはぜひ大事に取っておいてください。新しいものを買った時に少しお休みしてもらったり、20年前のオーナメントを少しだけ混ぜて飾ったりしても、どこにもないあなただけのクリスマスを演出できるでしょう。
再びそのオーナメントを飾る時、それはきっとあなたや子供、孫たち、そして大切な人たちとクリスマスを語り合う時間を作ってくれます。