Christmas Bell 〜 ベルのお話 〜


ヨーロッパ各地のクリスマスマーケットが開催され、教会の鐘の音が冬の澄んだ空気に響く季節になってきました。
クリスマスに欠かせないものは、その歴史や宗教的な背景を調べると本当にたくさんあり、どれも興味深く紹介し尽くせないほどです。私たちはクリスマスグッズを取り扱っていますが、その商品にまつわる文化なども併せて継続的にお伝えできたらと思っています。
そんな今日は、鐘(ベル)のお話です。

鐘を鳴らすことは、遠い昔から冬の風物詩でした。 確かな記録が残ってはいませんが、冬に鐘が初めて使われたのはキリスト教ではなく異教の冬の祭典だったのではないか?と言われています。
鐘は街の人々を悪霊から守るという目的で使用されていました。ノイズメーカーと呼ばれる大きな音を立てる鳴り物を使って、冬の夜に悪霊を怖がらせるために使用され、ここに鐘も含まれていました。  

冬に鐘を鳴らす少しダークな風習は、次第に変化していき、人々は楽しみのために鐘を鳴らすようになります。キリスト教の影響力が高まるにつれて、鐘で結婚式のお祝いを鐘の音で知らせたり、人々の死を伝えました。教会の礼拝の始まりと終わりを示すためにも使われ始めました。ベルを使えば町や村の多くの人にニュースを素早く知らせることができ、重要なコミュニケーションの手段だったのです。その後、鐘はお祝いや休日を象徴するようになり、それ以来この伝統が始まり今日でも使用されています。

多くのカトリックの教会では年に2回、クリスマスとイースターに真夜中のミサが開催されます。司祭が「グロリア」とキリストへの賛美を唱えながら、教会と祭壇の鐘が鳴り響きます。

教会が増えるにつれ、鐘の数も回数も増えていきます。しかし鐘を正確に鳴らせるようになるためには訓練が必要でした。そこで練習用の手で持てる大きさのベルが製造されていきます。これが現在のハンドベルの原形です。ビクトリア朝時代に入り、小さなハンドベルを使ってキャロル(聖歌)を歌いに行く事が流行します。クリスマスにハンドベルを演奏することは現在でも宗教を問わず世界各国で親しまれています。

鐘が教会と密接に関わると、ここからは他のものと同様にクリスマスを象徴するものとなっていきます。クリスマスの食卓に置いて楽しんだり、クリスマスツリーのオーナメントとして飾ったりと広がりました。キリスト教以外の物語や音楽、映画においてもクリスマスに鐘(ベル)が登場し、一般的になりました。



クリスマスカンパニーでは、鐘をモチーフにしたベルを取り扱っています。
ツリーに飾るためのベーシックなゴールドのベルオーナメントは開店当初から続くベストセラーです。
また直輸入の商品でも、エジプトガラスでできたオーナメントやイタリアのセラミックで作られたベルの置物があり人気の商品です。世界中でクリスマスのベルが愛されて作られていることがわかります。軽く振ると上品な音が鳴り、静かで清らかなクリスマスの夜にふさわしい雰囲気を持っています。それはきっと、時間を遡ったような感覚を与えてくれるでしょう。

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